くわばたけ

趣味を中心とした雑記。スマブラを始めとした任天堂のゲームと、少年マンガが好きです。

実写映画「氷菓」を語る

 

※映画・原作ともにがっつりネタバレを含んでます。ご容赦ください。

 

 

 

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タイトル通り見てきましたよ。氷菓の実写映画。

 

もうね、あまりにもな内容だったので語らずにはいられません。

 

 

 

 

少し自分語りから。

 

よく意外ですねとか言われるですが、私はあんまりアニメを見ません。流行りのフレーズとかも元ネタよく分かってません。

 

しかしそんな私の中で原作を買うほどにどハマりした超大好きな作品が2つありまして。

 

それが

 

 

 

涼宮ハルヒシリーズ

 

そして氷菓、もとい古典部シリーズ

 

 

の2つなわけです。

 

アニメを何度も見て原作を何度も読み返してまとめサイトでSSを読みまくるくらいには大好きです。

 

涼宮ハルヒの消失が好きすぎて大学入ったら文芸研究会に入ろうと思ったこともありました(理想と現実のギャップに打ちのめされた)。

 

この2つほどではないけれど原作を買うくらいにはハマったのが物語シリーズで、合わせて3大好きなアニメですね。というかこれ以外は全然知りません。

 

 

 

 

で、そんな大好きな作品の1つである氷菓がこともあろうに実写化したんですよ?そら見るしかないでしょ!

 

 

 

 

 

...とはいえおそらく全氷菓ファンの皆さんが実写化には反対したでしょう。私も同じです。

 

ましてや山崎賢人広瀬アリス。私はドラマとか全く見ないしこれまでの山崎賢人主演の実写映画とかも全然見てないので、率直にpvの見た目だけでの感想になりますが

 

 

 

 

「誰やこのスカしたかっこつけは!」

 

ごりたそ〜

 

 

 

 

って感じです。この時点であまりにも。

 

 

 

 

しかしですね、監督だって批判が出ることは分かってたはず。きっと内容は素晴らしいものにしてくれるに違いない!

 

 

 

 

 

 

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...というわけで前置きが長くなってしまいましたが公開初日の本日朝一で見に行ってきたので語ります。

 

 

 

 

 ...

 

 

 

 

 

 

 

実写映画「氷菓」のここがダメ!!

 

 

 

その1  意味不明な改変

 

 

いきなりダメな点からかよ!って感じですが、事実だから仕方がないのです。

 

全体的に原作を綺麗になぞったストーリーではありました。が、細かい謎の改変が目立ちました。

 

 

地学準備室の机

 

普通の机ではなく、ダンボールを敷き詰めた上にベニヤ板を乗せた簡素なものになってました。壁新聞部にあったようなやつですね。謎です。

 

 

 

そして文集を探す段階に入った時に、何故か壁新聞部が出てこない。

 

 

じゃあ文集は一体どこから?古典部室のベニヤ板を退けた中にありました!

 

 

 

伏線回収すごーい

 

 

 

 

...ってうるせえ!!

 

壁新聞部の件は「愚者のエンドロール」に繋がる大事なエピソードのはずなのに...どうせこれっきりだから改変してもいいだろうという監督の怠慢が伺えますね。

まあ尺の都合もあるとは思いますが...

 

 

 

②文集を作る理由

 

何故かですね、「文化祭何やろっかな〜、そうだ文集を作ろう!きっと過去にも作ってるはずだからバックナンバーを探して見ましょう!」

 

みたいな経緯で文集を作ることになったんですよ。

 

 

いやいやいやおかしくね??

 

 

原作での理由はこうです。

 

 

「文集作成費が予算で計上されているので、作らないと困ったことになるんだそうです」

 

 

分かりますか?原作でのえるたそはしっかりと古典部部長としての役割を果たしていますが、映画のごりたそはただの思いつき行動ウーマンです。

 

はあ(呆れ)

というか思いつきで文集を作ろうってならんだろ...まあ文集を見て関谷純に尋ねるので潜在的な記憶はあったとかこじつけましょう。

 

 

そして関谷純といえば、めちゃめちゃでかい改変がありました。

 

 

 

③セキタニではなくセキヤになっている

 

 

...いやこれ変更する必要ありますか??

 

どう考えても原作を読んだことない人向けに優しくしてますよね??自分自身で謎を解く難易度を下げてますよね??

 

 

原作でもしっかりルビが振ってあります。まじで意味がわかりません。

 

 

 

④謎の糸魚川先生の過去編 

 

 

謎を解き明かした奉太郎が、糸魚川先生に当時のことを聴きに行きます。

 

で、真相が語られるんですが...

 

 

 

格技場で火事が起こった時、ある女子生徒の耳のそばで火花が破裂し、その生徒は鼓膜が破れ火の中に取り残された。

それを救い出したのが優しい英雄こと関谷純。彼は学校側の見せしめのために退学となった...

 

 

 

で、その女子生徒が当時の郡山養子なのですが...

 

 

 

 

こんな話原作になかったよ????

 

 

 

いやこのエピソードいる??本筋に1ミリも関係ないじゃん!これ入れるくらいなら壁新聞部いれろや!!

 

 

うーん。

 

 

糸魚川先生の右耳が聞こえないとか必要だったのかなあ。

 

 

 

 

⑤奉太郎の質問の順番

 

 

どういうことかといいますと、奉太郎の「関谷純は望んで全校生徒の盾になったのか」という質問がありましたよね。

 

 

原作では

 

奉太郎、推理が足りていないことに気づく

糸魚川先生の前で自分の推理を披露する

糸魚川先生、ほとんど正解だと肯定する

奉太郎「聴きたいことは一つ、関谷純は望んで全校生徒の盾になったのか」と問いかける

糸魚川先生の詳しい説明、「もう答えは分かったでしょう?」

 

 

つまり、奉太郎の質問を聴いた後、糸魚川先生がそれに答えるために当時のことを話す、というプロセスでした。

 

 

しかし映画はこれがまったく逆になっており、最初から糸魚川先生が詳しいことを全部説明する→奉太郎が質問する、という順番になっていました。

 

 

 

 

 

奉太郎の読解力低すぎだろ!!!!

 

 

 

 

答えはもう分かったでしょう?って原作で問われるところでなんで質問してんだよ!読解力低すぎだろ!アスペか!!

 

 

 

 

原作の話の整合性を無視したストーリー展開を作る監督の手腕に脱帽するばかりです。

 

 

 

 

 

この他にも気になった変更点いっぱいありました。ですが流石に一度映画を見ただけでは全て記憶できていないので、覚えてるやつだけ書きなぐりました。

 

 

あと一つだけ、多分こんなところを気にするのは俺くらいじゃないかっていうセリフがあったので言わせてください。

 

 

えるの家で全員が仮説を披露して、奉太郎の番になった場面でこういうセリフがありました。

 

 

「思いつかない。(中略)今日だってお前らの資料に期待もしていた

 

 

...

 

 

期待

 

 

期待

 

 

期待

 

 

 

クドリャフカの順番編での里志のこのセリフを覚えているでしょうか。

 

 

 

「自分に自信があるときは期待なんて言葉を使っちゃいけない」 

 

 

 

期待っていうのは諦めから出る言葉なんです。時間的、能力的、資質的に及ばない諦めが期待になるんです。絶望的な差から期待が生まれるんです。

 

 

じゃあ奉太郎は関谷純の件に関して自分が解き明かすことは絶対に不可能だ、と思っていたんでしょうか。

 

 

 

答えは分かりません。つまり俺が言いたいのは、作中で非常に重要な意味を持つ言葉を軽々しく適当なセリフにするな!ということです。

 

 

監督に言わせてください。

 

 

 

 

 

 

お前はクドリャフカの順番を読んだのか?

 

 

 

 

 

田辺先輩から陸山会長ではなく俺から監督へのメッセージです。

 

 

 

 

 

その1だけで超長くなっちゃった...

 

 

 

 

 

 

その2  キャスト

 

 

まあこれに関しては今更俺が言うまでもないですね。皆さんがpvで感じたことそのまんまです。

 

 

棒読み棒読み&棒読みかっこつけの奉太郎

 

私、気になります...(ボソッ なえる

 

老けた里志

 

老けた摩耶花

 

 

 

個人的に1番気になったのは、奉太郎が、えるが古典部に入ったと聞くシーン。

 

手に持った入部届けをくしゃくしゃにして握りこぶしを作り、プルプルさせています。

 

 

いやなんでこんな感情を表に出してんだ...

ほら出た無駄な改変ー(呆れ)。まあ正直中村悠一の演技が良すぎたというのはありますが。

 

 

あともう一つ、えるが奉太郎を説得する際にやたらと腕を掴んでブンブンさせていました。どう見ても頭おかしい人です演技過剰です。

 

アニメの美少女えるはどこへ行ったのか...

 

 

 

 

 

 

だいたいね、この実写化に賛成してる人は皆こう主張するんですよ。

 

 

 

氷菓はそもそもアニメが原作なんじゃなくて小説の実写化なんだからアニメのイメージとか関係ないじゃん!監督の好きにさせろよ!」

 

 

 

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↑擁護派のイメージ図

 

 

 

 

 

 

 

 

原作のイメージともかけ離れてるんだよおおおおおおおおおおおお !!!!!!!!!

 

 

 

 

お前ほんとに原作読んだことあんのか!原作の奉太郎はどう考えても山崎賢人みたいな優男じゃねーんだよ!!全く逆で冴えない男にしか見えねーんだよ!!

 

 

 

えるに関してもそうです。原作、アニメ共に「美人」「美少女」に近いニュアンスで描写がされていて、特に目の大きさが強調されていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

広瀬アリス顔濃すぎだろ!!!!!!!!!(ファンの方ごめんなさい)

 

 

 

 

まっっっっったく「旧家のお嬢様」って感じが出てねーじゃねーか!!!だいたい肩幅広すぎてJKにすら見えねーんだよ!!無名でいいからもっとそれっぽい女優使えや!!!そもそも根本的に可愛くねーんだよ!(ごめんなさい)

 

 

 とってつけたように摩耶花がえるの似顔絵を描くシーンを入れて、「ちーちゃん目おっきいからな〜」とか言わせてました。

 

 

完全に個人の趣味の話ですが、広瀬すずの可愛さがわからん俺にはましてやアリスは無理だった...

 

 

 

とはいえ老けてるだけで里志や摩耶花の演技は普通に良かったですし、後半の少しやる気出した奉太郎の演技も悪くなかったです。

 

 

アニメさえなければあるいはすんなりと受け入れられたのかもしれません。いやどうだろう。

 

 

 

 

ほんとはもっといっぱいあった気がするんですが忘れました(おい

 

 

では次に行きましょう。

 

 

 

 

良かったところ

 

 

その1  ベナレス

 

序盤に葬式の町ベナレスのことを姉が手紙に書いてますよね?それが伏線になって最後の会話に繋がりました。

 

奉太郎がえるに、お前の叔父はベナレスで死んで天国に行った、的なことを言います。これ良いシーンでした。

 

俺もこの映画で初めて知ったんですが、そもそもベナレスはインドにあるそうで。

 

今思えばもともと多分米澤穂信は意図していたんじゃないかと思いますが、気付いていませんでした。ここをわかりやすくした映画はグッジョブです。

 

 

 

その2   主題歌

 

イトヲカシのなんとかかんとかって曲でした(投げやり)

 

普通に良かったです。

 

 

 

 

以上(え

 

 

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というわけでいかがでしたでしょうか。見ようかどうか迷っている人の参考になれば良いと思います。なるとは言ってません。

 

 

俺としてはこんな映画を作るくらいならさっさとふたりの距離の概算を映像化しろよと思います。あれが1番好きです。

 

 

 

色々言いましたけど、思ったよりは悪くなかったと思いますよ。オリジナルキャラクターみたいな大きな改変はありませんでしたし。ただアニメが良すぎた。

 

 

 

正直アニメを超えるのは無理でしょう。実際キャスト思いつきませんし。

 

 

そういえばこないだ「米澤穂信古典部」という本が出ましたね。設定資料とか好きな人は買うべきだと思いますよ。他の作家との対談で谷川流生きてたんかワレェってなりました。

 

 

 

では今回はこの辺で。また誰か一緒に語りましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

p.s. 

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