ダブルアーツをそこそこ語る!
諸☆注☆意
世の中にはニセコイと違ってダブルアーツファンは多いと思います。
変なこと書いても許してね。
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前置きはざっくりと省略しまして
さてさて皆さん。ダブルアーツは好きですか?
かの有名な週刊少年ジャンプ史上最長連載記録を持つ急転直下ラブコメであるニセコイの作者、古味直志先生(以下、コミィ)の前作にして初連載作品です。
この記事は基本的に知っている人向けに書きますが、知らない人のために軽くあらすじをご紹介。
未知の奇病「トロイ」が蔓延する世界で少女のエルレイン=フィガレット(エルー)は、自らもトロイに感染しつつ、感染者の毒を吸引する巡回僧(シスター)として患者に治療を施し続けていた。シスターの宿命として長くは生きられないことを冷静に受け止めつつ、トロイの無くなる世界を夢見ていたが、とある街タームでの治療の帰り、ついに彼女はトロイの発作を起こす。エルーが死を覚悟したその時、絵描きの少年キリ=ルチル(キリ)が偶然彼女の手を取ったことで、エルーの発作は収まる。
キリは、エルーに触れてもトロイに感染しないばかりか、エルーに触れている間は彼女の発作を止めることができるという特殊な体質を持っていた。シスター協会の指令を受けて、二人はキリの体質を解明するためにシスター協会本部へ向かうことになるが、シスター協会からその間は「一切手を離してはいけない」と言われる。 (pixiv百科事典より引用)
はいこういう話です。超王道ファンタジーですね。
新連載時のジャンプ表紙。
分かります?このワクワク感。看板マンガになるオーラが半端ないでしょ?
実際にこのダブルアーツ、連載開始からなんと13話目という異例の速さで2回目の表紙&センターカラーを獲得します。
これがどのくらい凄いのかというと、初連載作品なのにあのバクマン。と同じ速度なのです。半端じゃない。
リアルタイムで読んでた人は皆大型新人が出てきた!とか思ったのではないでしょうか。なお第2作
今回はそんなダブルアーツを語っていくことにします。
-ダブルアーツは何故面白いのか-
理由その1 魅力的なキャラクター
コミィの最大の特徴であるキャラクターの魅力は初連載作品から大きく評価されるべきところでしょう。
まずは主人公のキリ=ルチル(キリ)とエルレイン=フィガレット(エルー)がこちら。
※ダブルアーツ、資料が少なくて2次創作絵と白黒が増えます。ご了承を。
はい、金髪ツンツン頭のキリと青髪ヒロインのエルーですね。
本当は1人ずつ紹介したかったんですがキャラの特性上二人一組の画像しか見つかりませんでした。
発作を起こして命の危機に陥ったエルーの手をキリが取ったところから物語が始まります。
ところでどうでもいいことなんですがこの絵は2次創作です。懸命な皆さんならこの構図にピンときたんじゃないですか?
ニセコイ第42話「エンニチ」のラストの見開きだあああああ
はいすみません。話が逸れました。私としてはこの絵の作者に花丸をあげたい所存です。
何故かキリには生まれつき触れた相手の治癒能力を向上させる能力があり、これによりエルーのトロイによる発作を抑えます。
発作を抑えることができるのは触れている間だけなので、じゃあもうずっと手繋いでろよ!てな感じなわけですね。
そしてエルー。超正統派なヒロインです。
史上最年少でシスターとなり多くの人々を治療する彼女。自分が20歳まで生きられないと知りながらも悲しむ姿を見せたりはしません。
泣けるわ...
ちなみにエルー唯一の欠点は寝相が異常に悪いことです。後ろ髪が跳ねているのはセットではなく寝癖なのでした。
こういうよく分からん設定を入れてくるのはコミィの癖ですね。
エルーの人気っぷりはかなりのもので、なんと第3回ニセコイ人気投票で10位にランクインするほど。
しかも楽カスより上の順位。ざまあ。ていうか主人公が11位って...
ニセコイ読者の中にもダブルアーツファンはたくさんいたということですね。ニセコイ人気投票については色々語りたいこともあるのでまた別の記事で。
そして次に紹介するのがキリの友人であるスイです。
このスイ、超武闘派な女の子です。
ダブルアーツ世界には四つの民族が存在しており、その中でも武の民(ナギン)と呼ばれる人々は最も戦闘に長けています。
スイは特に純血の武の民(クリアナギン)。つまり超強いということです。自分に賞金をかけて、集まってきたあらゆるツワモノを返り討ちにするほど。より強いやつと戦いたい悟空みたいな奴です。
武器は鉄製のフープ。かっけえ。
ファラン(後述)に負けた後。かわいい。
個人的にスイ、すげーいいキャラしてます。
前髪バッテンが特徴のイケメン。
物語中盤で登場し、キリたちに戦い方を教えてくれる師匠になってくれます。
"護衛"ではなくあくまで戦い方を教えるだけ。ファランは己に課した鉄のルールによって他人のために力を使うことが出来ません。
過去に何かあったようです。これ、伏線です。
初登場時にこんな怖い雰囲気を醸し出しておきながら
子供っぽいというギャップも魅力の一つ。
あることがきっかけでスイから戦いを申し込まれるのですが
一蹴。
作中でも1.2を争う強さを誇っています。ファランもやっぱり良いキャラしてますわ。
このように各キャラクターの個性がはっきりしており、魅力溢れるものになってますね。
そして顔の書き分けも出来ています。後半ハンコ絵になった第2作とは対照的です。
理由その2 ドキワクするシチュエーション
考えてもみてください。
かわいい女の子と24時間一緒にいるんですよ?
全国の少年たちの憧れのシチュエーションでしょ!少女たちがどう思うかは知らん
トイレもお風呂も手をつないだまま
冷静に考えてかなりきつい縛りですが、この状況で平静を保っていられるキリ凄い。健全な青少年たちの妄想たるや。流石コミィが小学生の時から温めてきた話です。
そういえば良い忘れてたんですが物語は基本的にエルーの視点で進んでいきます。
離れちゃダメだからってこんなことされた日にはエルーも惚れること必至よ。
理由その3 壮大なストーリー
ダブルアーツ、序盤から伏線を張りに貼りまくっています。人気が出たから出来ることでもありますが。
・キリの能力について
・ファランの過去
・シスターを狙う集団「ガゼル」の目的とは
大きな伏線としてはこの辺ですね。他にもいっぱい細かい伏線や布石があるんですよ。
ONE PIECEやHUNTER×HUNTER ばりに情報を散りばめています。並みの作者じゃなかなか回収できる量じゃない。
笑いあり、涙あり、ラブコメありの冒険にここまでの謎も含まれているのです。これは第2のONE PIECEになると思った人もたくさんいたことでしょう。
...
さてさて
そんなダブルアーツなんですが
まさかの打ち切り終了。しかも全23話。単行本全3巻。
ここまでべた褒めしてたのは一体何だったんだ!と言いたくなるような話ですが、事実です。
大量の伏線は全て放置。1ミリも回収されず。
はっきり言って畳み方だけ見ればクソの極みです。そもそも畳めてねえもん。
ここからはですね、逆に何故ダブルアーツは駄目だったのかについて語っていこうと思います。
-ダブルアーツは何が駄目だったのか-
大きく分けて2つの理由が存在します。
理由その1 展開の遅さ
まずは間違いなくこれです。
敵に居場所が見つかり、街を出るところまでは良いんですよ。その後がまずかった。いきなりどこの誰とも分からんシスターの話を始めますからね。
シスター・ハイネ
別に1話完結でちょっとほっこりする話を書くならシリアス展開の箸休めにいいと思うんですよ。ワンピのガイモン編みたいな感じで。
でもコミィは違いました。がっつり3話使ってしかもハイネの発作というクソ重いエピソードを書きやがりました。
どう考えてもここで挟むエピソードではなかったです。ちょっと人気出て油断したのか...
一応終わり方はきれいではあります。
ハイネが2人をモチーフに絵を描こうとするところで終わり。正直どうでもいい(おい)
個人的にハイネ自体もあまり魅力あるキャラには思えませんでした。
こんな感じで後半すごく展開が遅いんですね。
構成力がないと言わざるを得ません。
そして次が一番の要因です。
理由その2 フレア
これです。これしかない。完全に戦犯。
フレアってなんぞや?という説明から入りましょう。
この画像をご覧ください。
実はキリにはこんな力もあったのです。
どやあ
これ、はっきり言って無茶苦茶な設定じゃないですか?
キリたちは街を離れて遠くにあるシスター協会の本部に向かわなければならないのですが、極端な話1万人くらいで手繋いで走れば良くないですか?キリ自身と触れ合っていなくても人と人で繋がっていれば大丈夫なんですから。
作中でも「無から有を生み出せる永久機関にも似た恐ろしい力」「想像力豊かな悪人の手に渡ったら世界がやばい」と言及されています。
流石にコミィもその辺は分かっていたようです。主人公サイドの想像力が貧弱すぎたのが駄目だった。
しかもキリが「フレア」とか厨二っぽい名前をつけちゃってるのがまたね。
完全に必殺技
もっとフレアをガンガン活かせばいいのに特に利用しないもんだから読者も困惑。
そらアンサイクロペディアで「常時手をフレアっている」とか馬鹿にされますわ。
そんなわけでダブルアーツと言えばフレアみたいなところがあります。設定が悪いというよりは、素材を活かしきれない作者の引き出しの貧困さが原因でしょう。
コミィの短編集「恋の神様」に載っている読み切りはどれも面白いので、コミィは料理のレシピを作るのは得意です。調理がド下手なだけで。
さてさて、厳しいことも書きましたが私はダブルアーツ大好きです。
未だにダブルアーツの根強いファンが存在することは事実で、彼らの多くはまたコミィがファンタジーを書いてくれることを願っています。
またジャンプに戻ってくることを期待しましょう。第2作でファンを失ったとか言わない
では今回は適当に拾ったかわいいキリとエルーの画像を貼って締めたいと思います。
ではまた!
p.s. キリの髪型って短くしたら楽カスになりそう